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若林史江 講演会講師インタビュー

『5時に夢中!』(TOKYO MX)での月曜レギュラーコメンテーターとして、マツコ・デラックスさんとタッグを組み、歯に衣着せぬ発言で人気の株式評論家の若林史江さん(46)。高校卒業後、投資顧問会社に勤めていた20歳のときに投資の面白さを知って以来、自身もトレーダーとして日々株価と向き合っている。投資の初心者から玄人までどの層にもわかりやすい解説をしてくれるとSpeakers.jpの講演会でも好評だ。2024年度から始まった新NISAやiDeCo、株式投資について、あらめて話をうかがった。

(text:高田晶子、photo:増本雅人)

やっぱり今が始めどき! 新NISAについて詳細解説

――若林さんには5年前にもこのSpeakers.jpでインタビューをさせていただきました。今年1月から新NISAが始まりましたし、5年前に比べたら、今は国民の多くが投資に興味がある状態だと思います。まずは新NISAについて、簡単にご説明いただけますでしょうか。

 

若林史江 2014年1月から、少額からの安定的資産形成を支援するためにNISA制度は始まりました。そして、2024年1月から、岸田NISAとも呼ばれる新しいNISAが始まっています。大きな変更点は、非課税での年間の投資枠が増え、生涯非課税保有限度額が大幅に拡大したことです。

投資信託が中心の「つみたてNISA」は「つみたて投資枠」と名称変更され、年間投資枠が年間40万円から120万円になり、上場株式などが中心の「一般NISA」は「成長投資枠」と名称変更され、年間投資枠が年間120万円から240万円になりました。「つみたて投資枠」と「成長投資枠」は併用可能で、合わせて年間最大で360万円、生涯非課税保有限度額の合計は1,800万円(内成長投資枠は1,200万円まで)の投資が非課税でできるということです。

 

――2023年までのNISA制度だと、非課税の期間も決まっていましたが、それも撤廃されたんですよね。

 

若林史江 そうです。すべて無制限になりましたし、口座開設期間も恒久化されました。つまり、長くやっても税金を取られないし、ひとつの口座でずっと続けられるということです。

 

ほかにも細かい変更点などもありますが、これからNISAを始めようと思っている方に特に重要な変更点と言えば、積み立て枠が増えたことと非課税保有限度額が拡大したことが挙げられますね。

 

――相当なお金持ち以外は、ほぼ無税でNISAができるということですね。

 

若林史江 そもそも、国民に少額でも投資を始めてほしいと始まったのがNISA制度なのですが、新NISAの「つみたて投資枠」の年間120万円と「成長投資枠」の年間240万円を合わせると、年間最大360万円まで非課税で投資できるので、なかなかそれだけの金額を投資に回せる方もいらっしゃらないと思います。なので、NISAを使えば大多数の国民が非課税内で投資ができちゃうのではないでしょうか。

 

――「やるなら今」ということでしょうか。

 

若林史江 証券会社は預かり資産を増やしたいので、ちょうど今「新NISAやiDeCoの手数料を無料にします」などと打ち出していますよね。特にネット証券はたくさんあるので、本当に投資がやりやすい環境になったなと思います。新NISAの「つみたて投資枠」やiDeCoは積み立て方式なので、毎月少しずつ買っていくわけですが、その度に手数料がかかっていると、5年、10年経ったときに手数料だけでもかなりの重荷になってきます。政府が国民に「貯蓄から投資へ」と働きかけ、証券会社が手数料を無料にして顧客獲得のために顧客に寄り添うのは、やっと「貯蓄から投資へ」の元年がやって来たという感じですね。2022年4月からは高校家庭科で金融教育も始まっています。

 

――高校生から投資について学べるのは、いいことですね。

 

若林史江 今の社会人はお金についての教育はほぼ受けていません。個々の家庭でも子どもに投資について教えるようなことはなかったと思います。お金の感覚は急に身に着くものでもないので、子どもの頃から養うべきだと思います。

今まで日本人は、投資よりも貯蓄の習慣が身に着いてしまっています。もちろん貯蓄も大切なのですが、それとは別にお金を増やす柱をもう1本持つことがこれから求められていく気がしています。投資は増えるだけではなくもちろん減ることもあるので、必ず安全だとは言いませんが、リスクを少なくどのように資産運用をしていくかを自分自身で考えることが重要です。

 

――新NISAを始めようとしている人に対してのアドバイスがありましたら、教えてください。

 

若林史江 肌感覚ですが、新NISAを「これから始めよう」「興味があるから調べてみよう」と思っている人は本当に増えたなと思います。ただ、口座の開き方で躓いてしまう人が多い印象です。「やってみようかな」と証券会社のHPを開いてみただけで、拒否反応が出てしまう。知らない専門用語がずらずらっと並んでいるので、そこさえクリアできれば、その先は何とかなるものです。口座開設で躓いてしまうもったいない人がいっぱいいるなと思って、超初心者向けに新しい書籍も書きました。

 

――若林さんはNISAをやったほうがいいと思いますか?

 

若林史江 いえいえ、必ずしも絶対にNISAをやれ、株をやれなんてことは言いません。ただ、知らないことはリスクだと思います。知って、勉強したうえで、「私は節約と貯蓄で頑張る」という選択をするなら、それも立派な資産運用だと思います。ただ、今まではそれすら考えるきっかけや選択する余地が日本人にはなかった。これからはお金に対しての自分らしい道を選択できるようにしてほしいなと思いますね。

 

 

投資初心者は新NISAやiDeCoなど 積み立て式の投資信託がオススメ

――給料もなかなか上がらないし、物価も上がり続けていますし、なかなか節約と貯蓄だけだと厳しい世の中ですよね。

 

若林史江 バブル崩壊やリーマンショック、コロナなどの爆発的な景気の悪化は印象的ですが、景気は後退すれば必ず回復します。いつも大なり小なりの後退と回復を繰り返しているのです。もちろん、今年、来年の株式市場がどうなるかということも大事なことですが、目先のアップダウンに右往左往せず、中長期的な目で相場を見ることのほうが、多くの人たちには大事な
ことだと思います。

 

――目先のことばかりを見ていると、資産も増えないということでしょうか。

 

若林史江 極論ですが、相場は実は“悲観”の中で生まれるんです。業績と株価が連動していればそんな簡単なことはないのですが、株価は人の心理が入ります。例えば、タブロイド紙の一面などで「株価大暴落!」と書かれて煽られ、世論が「株価がヤバいんじゃないか」とマイナス方向を向き始めると、株価は人の価値観や気持ちによって、本来の価値以上に売られてしまうことがあります。数字だけ見ていると、株価がどんどん下がっていくのが怖くて仕方なくなって、その物の価値なんて考えられなくなるんです。

ただ、「株価ってそういうものだよね」と知っているだけでも、何もかもが違うように見えると思うんです。逆に、みんなが楽観してるとき、それこそ80年代のバブル景気などは、人の心理によって、物の価値、企業の価値、国の価値以上に株価が買われました。それがバブルで、ある日突然弾けるんです。この両極端を知っておくだけで、自分がどのように身を置いたらいいのかが、大雑把でもわかるはずです。これも極論ですが、次に大きな景気後退があったら、多くの人が悲観して株価を売るので、買っておいたほうがいいんじゃないかなと思います(笑)

 

――NISAやiDeCoをやる人たちは10~20年という単位で投資を考えていますよね。資産形成としての投資信託の積み立てはあまり景気には左右されない?

 

若林史江 日々トレードをしている私のような短期決戦のような投資は、面白さもあるのですが、ハードルも高いし、リスクも大きい。向き不向きもあります。ですから、多くの人たちにオススメなのが、中長期的な少額の投資信託の積み立てです。ハードルも低く、リスクも少ないと思います。それに最適なのが、NISAであり所得控除になるiDeCoですね。

例えば、NISAの「つみたて投資枠」ですと、自分で投資信託を選んで、毎月自分で支払う金額を決めます。毎月同金額を買って、コツコツと積み立てていきます。やることはiDeCoも同様ですね。

 

――iDeCoについても、簡単にご説明いただけますか?

 

若林史江 iDeCoは「個人型確定拠出年金」といい、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度のひとつです。65歳になるまで掛け金を拠出することができ、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができます。掛け金の最低限額は月5千円(年間6万円)ですが、上限は人によって異なり、会社員や公務員の扶養対象の専業主婦(夫)(第3号被保険者)は月2万3千円(年間27万6千円)、公務員は月1万2千円(年間14万4千円)、自営業者(第1号被保険者)は月6万8千円(年間81万6千円)となっています。

 

――iDeCoのメリットは?

 

若林史江 iDeCoで積み立てた掛け金全額が所得控除になります。掛け金の年間合計額が課税所得から差し引かれるので、かなりの節税効果があります。しかも、運用中に得られた利益はすべて非課税。すごくお得だと思います。

ただ、60歳まで引き出せないし、今後、政府の方針で引き出せる年齢が65歳、70歳と上がる可能性もある。ですから、すぐに引き出さなくてもいい金額を予測しておくことが必要です。(注 支払い時に課税有)

 

――難しいですね。iDeCoを何歳から始めるかにもよりますしね。

 

若林史江 そうなんですよ。iDeCoは原則として20歳から60歳までの人なら加入できるのですが、20歳の人が40年後を想像するって、なかなか難しいですよね。私のように40代半ばになれば、60歳まであと14~15年かと予想できるので、なんとなく想像がつくと思うのですが……。とはいえ、やっぱり所得控除で税金が戻ってくるっていうのは、一つの節税対策でいいことだと思うので、5000円からでもやったほうがいいのかなとは思います。

 

――iDeCoもNISAと同様、毎月決まった額を掛けていくんですよね。

 

若林史江 その通りです。毎月の掛け金を決めて、コツコツ積み立てるのですが、大切なのは自分の感情を入れずに、大局を見るということ。先ほどもお話したように、悲観すると売りたくなりますし、株価が高くなって好調になってくると買いたくなるものですが、その逆をやらなければならない、安い所でいっぱい買って、高い所では少くか買わない、これを可能性にするには、毎月金額を決めて、自分の私情は挟まないことなのです。もちろん、個別銘柄の株式取引に興味がある方はやっていただければと思うのですが、投資初心者には積み立て式のiDeCoやつみたてNISAオススメです。

 

――最初は本当に月5,000円~10,000円からでもいいんですよね。

 

若林史江 もちろんいいんです! 月5,000円や1万円は厳しいなぁと思うかもしれませんが、日々の生活の中で5,000円、1万円を捻出するって意外と難しくないんですよ。1日1杯飲んでいた200円のビールは、1カ月で6,000円になるわけですよね。ビールを我慢するだけで、6,000円の節約になります。考え方によっては捻出可能だと思うので、そこは頑張っていただいて、投資に回していただきたいですね。

 

 

最初は専門家の“生の声”を聞くと◎ その後、自分でも勉強を――

――投資の魅力を教えてください!

 

若林史江 魅力は様々あるんですけど、声を大にして言いたいのは、お金のリターンがうまれる可能性があるということ。仕事でサラリーをもらう、手に職があるとは別にもう1本、お金を稼ぐ手段ができるんだと思っていただきたい。そうなるためには、やはり勉強や努力は絶対必要なんですよ。だってお金を稼ぐ術ですから。ただ、お金を稼ぐ手段がもう1本できると、人生はすごく豊かになります。リストラされても、給料が減らされても、自分には投資があるというのは、すごく魅力だと思います。それを魅力に変えるためには、努力を惜しまないでいただきたい。講演会に足を運んでいただき、一歩踏み出してもらいたい。

 

――ネットでは投資についての記事や情報が溢れていますし、雑誌や書籍も世の中にたくさん出ていますが、セミナーや講演会で直接お話を聞いたら、俄然やってみようかなという気にもなりますよね。イチから自分で勉強して始めるのは、なかなかハードルが高い気がします。

 

若林史江 最初から活字だけというのでは限界があるんですよ。走り出してしまえば、活字でもすんなり頭に情報が入ってくるのですが、最初に助走をつけるときに、活字だけだとなかなか最初の一歩を踏み出すのが難しい。まずは専門家の話を聞いて、ある程度それを参考にして、実際にやってみたうえで、投資の本などを読むと、また別世界だと思うんです。「今読んでいる本が難しいんです」「図解や絵ばっかりでも難しいんだよね」という方が多いのですが、とにかく私の講演会に来ていただいて、もう一度その本を読み直したら、「なるほど」と思うはずです。もちろん私ではない専門家の講演会でもいいのですが、生の声を聞くことはとても大事なことなので、一歩踏み出してほしいなと思います。

 

――若林さんの講演会では、どういったことをお話されるのでしょうか。

 

若林史江 どんな方々にどんな話をするか、それこそケースバイケースですが、基本的には株についてもお話しますが、NISAやiDeCo についてもお話します。それをお話しするにあたって、投資信託など基礎的な情報を広く浅くお話しするようにしています。それは、「自分にはどんな投資が合っているのだろう」と聞いている方が自問自答できるようにしたいからです。「私はこうやってお金を増やしました」という成功談は一切しません。それは私に合ったトレード方法であって合うものは人それぞれ違うのです。だからこそ、講演会では、みんなが取捨選択しやすいように、「なるほど、こういう投資の仕方もあるのか」「こういう考え方をすればいいんだ」「投資とこういう風に付き合っていけばいいのか」「こういう見方をすれば知識がより深まるのか」など、皆さんが思ったことや気付いたことから掘り下げていってほしいと思っています。

 

――過去に印象的な講演会はありましたか?

 

若林史江 昔はよく「注目銘柄を出してください」という依頼もたくさんあったのですが、実はあることをきっかけにそれをやめたんです。もう15年以上前の話ですが、私の注目銘柄を3銘柄挙げたら、すべてが1年後に倍以上に跳ね上がりました。その主催団体から、1年後にまた同じ依頼があったので、講演会場に行くと、「去年あんたが言っていたあの銘柄まだ持ってるんだけど、どういうことだ」というクレームをたくさん受けたんです。私が話している最中も野次を飛ばされました。その方たちは自分では勉強せず、良い銘柄を聞いて買ったから、楽して儲かるだろうと思い込んでいたんです。
結局、どんな良い銘柄を教えても、売り買いのタイミングがわからなければ損につながってしまう。自分がどんなことをしなければいけないのか、どうトレードすればいいのかという勉強はすごく大事で、自分の資産を守るために何をすべきなのかということを教えなければいけないんだなと、改めて思い知らされた出来事でした。
それ以来、注目銘柄を教えるような講演会やセミナーはお断りしています。今はNISAとiDeCoを中心に、株式投資をもう少し深く掘り下げたり、チャートの勉強のためのセミナーなどが多いですね。株式の個別銘柄をトレードするときには、自分の戦う力と守る力をご自身でつけていかないと戦い続けることはできません。一方で、NISAやiDeCoは、自分の気持ちを入れずに、金額を決めて長く続けることが大切です。途中で止めたりしない。心折れないことが大事です。

 

――自分で株を売り買いする力がなければ、良い銘柄を聞いたところで、何一つ生かされないのですね。

 

若林史江 銘柄を売り買いする力は、自分で知識を増やして経験値を積み重ねていかないと養えません。痛い目を見ることも多いと思うのですが、仮に損をしたとしても、しっかりと損切りをして、次にトライする。私の実家のように倒産しない限りはゼロにはならないので、リトライして増やす。また失敗しても、さらにリトライ。これを繰り返していくのが株式市場との向き合い方です。だからこそ、初心者の方やゆっくり、着実にという方にはつみたて投資がおススメなのです。(笑)

 

――メンタル力が必要ですね。失敗すると「もう嫌だ!」と立ち上がれなくなりそうですが、リトライすることが大事なんですね。

 

若林史江 だからこそ投資は余裕資金でやってほしいですね。どんなに技術があっても、どんな情報があっても、時代背景には勝てないんですよ。だから、大まかでいいので景気を読む。その景気を追い風に、投資をうまくやる。もっと極論を言えば、景気が追い風になってくれたら、どんな投資初心者でも儲けることができるので、投資って魅力的な夢のある話なんです。

 

――最近はコロナも落ち着いて、また講演会の依頼は増えていますか?

 

若林史江 そうですね。昨日もリモートでオンライン講演をやりましたが、オンラインに慣れちゃうと、聞く方も楽なので、オンライン講演はいまだに多いですね。でも、最近はリアルな対面の講演会も増えてきました。私はリアルのほうが話していて気持ちいいですし、直に聞いている方の反応もあるので、やりがいはあります。壇上から話すときって、お客様の目つきや雰囲気、食い込み具合などが如実にわかるものです。ですから、反応を見ながら講演内容を微妙に変えています。こんな話をしようと基本的な組み立ては事前にしておいたとしても、どの部分を深く話そうか、どの部分はライトにしても構わないだろうなどはその場で決めるので、できれば私はリアルな講演会がやりたいですね。

 

――最後に、若林さんが講演会でいちばん伝えたいことは何でしょうか。

 

若林史江 私の話を聞いただけでも、世の中の見方やニュースに対しての感じ方や生活の仕方などが、ちょっとかもしれないですけど変わると思うんですよ。そのきっかけを私は講演会で作ってあげたいと思っています。ぜひ一度、話を聞きに来ていただければと思います。

 

――丁寧にわかりやすくお話しくださって、ありがとうございました!

 

 

 

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