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山形新幹線「つばさ」の車内販売員になり、東京~山形の1往復半で50万円以上という驚異的な売上を達成。史上最年少でチーフインストラクターに就任し、1,300名の社員の指導にあたるなど活躍。テレビや新聞、雑誌などメディアで多く取り上げられるようになり、企業や団体からの講演依頼が殺到する。著書に『人の5倍売る技術』『コギャルだった私が、カリスマ新幹線販売員になれた理由』『売上を10倍にする接客&販売術 神対応のおもてなし』『雑談接客で売上5倍!』『買わねぐていいんだ』などがある。そんな伝説のカリスマ販売員の茂木久美子さんにお話を伺った。
(text:大橋博之、photo:小野綾子)
茂木久美子 2005年のゴールデンウィーク真っ只中でした。車内は満員。何が売れるという状態ではなく、車内販売のワゴンに積んでいる商品が次々になくなっていく状況でした。商品を補充する時間もなく、あまり良くないことなのですが、段ボールに入ったままの状態の商品を持って販売していました。考えて売っているのではなく、お客様がわーっと買っていかれるという感じでした。車内を何往復かしたと思うのですが記憶にありません。満員なのでワゴンを押すのも大変でしたが、もう前に進むしかないと考えていました。売上を狙ったわけでなくただ必死で、業務が終わったら50万円以上を売り上げていました。
茂木久美子 日頃、私は売上金額をさほど気にしていません。むしろ、お客様の少ない、ガラガラの新幹線でも、これくらいの売上を上げたという達成感の方が好きです。売れないときに売ることのほうが満足感が高いです。
茂木久美子 偶然新聞に掲載されていた募集広告を見たことがきっかけです。当時、高校を卒業して半年間、仕事もせず、プータローで遊び呆けており、父母にも心配かけてました。その後、働かないといけないというタイミングに気づいた時に広告を見つけ「制服がある仕事っていいな。それに毎日、東京に行けるのはいいな」と思って応募しました(笑)。
茂木久美子 山形県に住んでいる私にとって、東京は憧れでした。「どうやって東京に行こうかな」と考えていたので、その術を見つけたという感じでした。
茂木久美子 働き始めた頃、私は高校を卒業したてのコギャルのままで、何かのために働いているという意識は全然ありませんでした。「お客様のため」と言うより「お金のため」。仕事とは「何時から何時まで勤めてお給料をもらうもの」と思っていました。でも、お客様や上司と仲間と働くにつれ、「もっとこうやりたい」とか、「もっとやってみよう」と仕事に対するいう意欲が湧いてきました。
茂木久美子 「世間の人は、みんな私と同じようにお金のために働いている」と思っていたのですが、「そうじゃないんだ」と気づき、同時に「仕事って楽しいんだ」と思いました。もちろん、お金のために働くことは否定しません。でも、私は「お金を払ってでも働きたいと思う会社には入れて良かった」「この会社で働けて良かった。もっと働きたい」と変わっていきました。
茂木久美子 車内販売は、自分が売りたいものや、売れると思う商品を倉庫からピックアップして、40cm×1mのワゴン車のカートに詰めていきます。会社から決まった商品を指示されるわけではありません。全て販売員の判断になるので、個人経営者みたいなものです。
商品をたくさん販売するには、カートにどう詰めるかがすごく大事です。目に付くポイントに売れ筋のものや「会社から指示される重点商品」を置くのが一般的ですが、私は「自分が販売するのが得意」な商品を並べるようにしています。皆さんも新幹線に乗ったとき、車内販売のカートをぜひ見てみて下さい。
茂木久美子 それは時短のためです。お釣りが出るのが遅いとお客様を待たせてしまうので、どうすればそれを解決できるか考えてのことです。
茂木久美子 そうです。あと、お客様が商品を手に取った瞬間に値段を言っていました。それもお客様をお待たせしないためです。
茂木久美子 いえ、まったく。働くことが決まって、小学校3年生の算数のドリルを買ってきて勉強し直しました(笑)。それで効果があったからかは分かりませんが、人間が凄いのは1か月もするとどんな新人でも慣れて、直ぐに「ひとつ270円です。3つで810円です」と言えるようになるんです。
茂木久美子 最初は「方言を使うのは恥ずかしい」と思っていました。田舎の人と思われたくなかったんです。東京が憧れだったし(笑)。でも、お客様の中に方言で話すおじいちゃんがいて、私もつい方言でしゃべってしまったんです。その時、私はお客様を「買う人」としか見ていないことに気付いたんです。自分のなかに衝撃が走りました。今までは、お客様が何を注文する時間をかけて迷っていると、「早くしてよ」なんて思っていたことを反省しました。
茂木久美子 そんなことを思いながら接客しているのは最悪じゃないですか。そんなことを考えている人から買いたいと思います?
茂木久美子 その時、私は「こんな接客をしていてはダメだ」と思いました。朝礼で「お客様が第一です」と言っておきながら、本当はお客様第一とは思っていない。売るためと思っていたのです。でも、本当にお客様第一と考えると、お客様との関係性も売り上げも変わってくるんです。
茂木久美子 接客の方法に思うところはいっぱいあります。でも、ついつい応援したくなって欲しくもないのに買っちゃうんです、「ビールください」って(笑)。そこでは飲まずホテルで飲んでいます。
茂木久美子 そういう販売員の方でも、買う瞬間、すごく良い顔をするんです。そんなとき、「笑顔が素敵ですね」と褒めます。すると、その人は雰囲気が変わります。
茂木久美子 一番は売ろうとしないことです。車内販売員はみんな売ろうとしているから売るための接客になるし、買わせようとする気持ちで接客します。そうするとお客様も「あなたは売るために接客していますよね」と受け取ってしまいます。販売の仕事は、お客様がどうなりたいかということを見極め、満足度を上げることです。
あと、「お客様が来たら頑張ろう」と言いますが、そうではなくて、お客様がいないときに頑張らないといけません。また、自分も「買う側」として買い物に行くのに、いざ自分が働くお店にいると「売る側」の視点になってしまいます。「お客様としてどうされたら嬉しいか」。お客様の視点に立ち戻るべきです。
茂木久美子 コロナ前は年に150回は行っていました。コロナ禍の影響で減りましたが、今は月に最低でも10回くらい、年に100回程度です。
茂木久美子 依頼によって異なりますが、私の実体験から喜んで買っていただく方法や、チーム作りなどが多いです。多くの経営者様から求められるのは、「社員に、自分達の仕事は素晴らしいということをぜひ気付かせて欲しい」ということです。
茂木久美子 業種は接客業はもちろん、製造業もあります。企業規模も中小企業から大手企業までさまざまです。
茂木久美子 そうです。私が研修に呼ばれると「接客のマナーについて教えられるのかと思った」とよく言われますが、そうではありません。もちろん、マナーは大事です。でも、「もう一歩踏み込んだ接客をして、お客様に喜んでいただく」ことの方が大事です。そのためには自分の殻や企業の殻を割らなければいけません。
茂木久美子 私が開発した「KARAWARI-殻割り-」は、店舗の販売員さんや企業の営業の方だけでなく、組織として新しい発想が欲しいとか、コミュニケーションを一歩踏み込みたいというお客様に行っています。
茂木久美子 「KARAWARI-殻割り-」は、自分と向き合うことができます。即興力を身に付けることをテーマにしていて、表現とか度胸が身に付きます。同じ女性でも年齢によってぜんぜん違う接客になりますし、声のかけ方も変わります。「こういうふうにすると良い」ということをレクチャーしています。
茂木久美子 ただしゃべるだけの講演会ではなく、ご希望があれば講演に「KARAWARI-殻割り-」も加えたいと思っています。講演会では多くの人が感動してくれますが、「こうすると売り上げが上がる」というような実践を体験していただく方がより深く理解していただけるのではないかと思います。
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