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「タニタ…、カラダ…」と、外国人訛りの発音でつぶやき、家庭用体脂肪計で体脂肪率を測定する女子テニスランキング1位(当時)のマルチナ・ヒンギス氏。1990年代後半に、テレビで流れたこの映像は株式会社タニタのCMで、体重もさることながら、健康管理、ダイエットには体脂肪率を知ることが重要であることに、多くの国民が気付くことになる。
タニタは、1987年まで何度も赤字計上を繰り返していたものの、1988年の秋田工場稼動を機に黒字体質を取り戻す。そして、1994年には家庭用体脂肪計を発売し、様々な社内改革を経て、1997にヘルスメーター売上で世界一を達成する。その中興の祖が、1985年に代表取締役に就任した谷田大輔氏。
体重は生活習慣の結果であり、その数値に至るまで、何を食べ運動し、どのように日々を過ごしたかが体重となって表れる。そして、体重計をつくることではなく“はかる”ことにフォーカスすれば、事業拡大が可能となると気付いた谷田氏。
そして、「どうせやるなら、ヘルスメーターで世界一になろう」と、自身の著書のタイトルでもある「変革の瞬間(とき)」を的確に捉え、チャンスを生かし、世界一を達成する。そんな谷田氏に、企業のリノベーションと日常を健康に過ごす“谷田流極意”を聞いた。
(text:増田聖祥、photo:小山幸彦)
谷田大輔:平均で月5回ぐらいですね。全国からご依頼をいただきますが、2013年11月は、山形、広島、静岡、仙台、神戸、岐阜などで、9回講演しています。
依頼者も各地の商工会をはじめ、自治体、金融機関、大手メーカーや鉄道会社、教育機関などからご依頼をいただきます。企業系の依頼者さまからはタニタのこれまでの歩みなどについて、教育機関での講演では、食事や健康などに関するテーマをお話させていただきます。
谷田大輔:体脂肪という言葉は、そもそも私たちがつけた名称なんです。健康管理において必ず知っておかなければいけない体脂肪率を、手軽に量れるようにしたことが最大の理由ですね。国民が以前にも増して健康を意識し始めた時代にマッチしたんです。
谷田大輔:タニタでは、1990年に体重科学研究所を設立し、さまざまに研究・開発を重ねてきて「ベストウェイトセンター」を立ち上げ、食事、運動などでも専門の栄養士による総合的な面からアプローチする減量指導を実施してきました。
その後、多くのスポーツセンターでも同様のコンセプトによる健康・減量指導がなされるようになったため、新しい特色として、あえて社員食堂による食事指導をしたのです。
でも、当初は、味付けが薄く、量も少なくて評判が悪かったんです(笑)。そこで、食べる人の体格や代謝状態にあわせて、メインのおかずの内容にバリエーションを持たせました。さらに、メニュー展開にもオリジナリティに注意しています。
それに、何よりも社員食堂で展開したことが新鮮だったのだと思います。“健康企業のタニタが運営している健康メニューの社員食堂”というコンセプトがオンリーワンであったし、社員だけでなく、外部の人にもご利用いただけるので、健康的な食生活実現の時流に乗ったんですね。
おかげさまで、タニタ食堂のレシピ本も売れているんですが、それでも、自宅で作るばかりではなく、薄味だけど美味しいとして、タニタ食堂に並んでお食事にいらっしゃる方が後を絶ちません(笑)。
谷田大輔:やはり、運動は非常に大事です。運動は、栄養を体の隅々まで行き渡らせる役割だけでなく、老廃物の排出を促進し、適切に代謝させることにも効果的なのです。だから、運動している人は、若く見えるのです。運動をしなくても、掃除などの家事を一生懸命やることでも十分な効果があります。家もきれいになるし、奥さんも喜んで家庭円満になりますし(笑)。
さらに、「寿命は脳が支配していく」ともいわれており、プロスキーヤーの三浦雄一郎さんのように、80歳でエベレスト登頂に成功したのは、脳が自分を老人だと思わないことに秘密があるのです。脳が若さを認識しているからこそ、高山と同じ低酸素状態の部屋で行う過酷なトレーニングを課しても、80歳という年齢でもへこたれず、エベレスト登頂を成し遂げたのです。やはり、何かをやろうとすることが大事なのです。それは趣味でも仕事でもいい。もうやることがないと思うと一気に老け込んでしまうんです。
谷田大輔:確かに、講演後の質問で、私の健康法を教えて欲しいとよく聞かれますね。しかし、それを語りだすと、ちょっと時間がかかってしまいますので、別の機会にお話しましょう(笑)。
谷田大輔:既存のビジネスに、何かを加味することが、ブランド力構築の第一歩ですね。同業者よりも何か進んだものが必要になるのです。
それは、他社よりも上位機種を発売したとかというレベルではなく、ステージそのものをアップさせなければだめです。
例えばタニタなら「え?社員食堂で健康ダイエットの啓蒙?」みたいな、人がびっくりするようなもの、他人が決してやらないような変革であるべきなのです。
谷田大輔:元々は、トースター、ライター、はかりの3事業部だったのですが、不採算部門であるトースターやライターを切り離して、はかり一本でいくと決めたとき、1事業だけで赤字は解消できないと、多くの反発がありました。
だからといって、創業者である父・谷田五八士(たにたいわじ)のように、新規事業を展開し、不採算なら撤退するという経営手法は私にはできないので、既存の事業を発展的に展開していくことしか考えていませんでした。
そのために、例えば、事業の主要メンバーをあえて異動させ、新規事業部を担当してもらうようにします。その人たちは、必死で後継者を教育し、後を任された人たちにも「自分たちがやらなければ誰がやるんだ」と、自らの役割を自覚し、成長して、半年後には新たなメンバーで事業が回るようになります。
さらに、新規事業部を担うことになった人たちも、それまで積み上げてきた実績の裏付けとなるポテンシャルを最大限に生かしてくれれば、変革を起こすことにつながる。タニタ社内だけでなく、コンサルタントの立場で関わった企業でも、同じやり方で成果を上げました。
谷田大輔:私は、赤字企業しかコンサルタントとして関わらないことにしています。そして、その中の1社で、iPS細胞の培養・応用を手掛ける会社が、2013年に東証に上場しました。
毎年1億円の赤字を5年連続して出していましたが、私が関わるようになって3年目で上場を果たしたのです。従業員も22人しかいない会社なのに、現在の株式時価総額は1700億円にのぼります。
さらに、2014年にも1社上場予定です。宝石を専門に扱うテレビ通販の会社で、コンサルティングを始めてから、1年後で収支トントン、2年後には10億円の利益を上げました。。
谷田大輔:『タニタはこうして世界一になった 「タニタの社員食堂」誕生秘話を交えて』(講談社刊)というタイトルです。1999年5月に『変革の瞬間(とき)―赤字会社が世界のトップに』(叢文社刊)から数えて14年半ぶりの新刊です。『変革―』に比べて、子どものころの話と、将来の展望などを盛り込んでいます。
谷田大輔:健康に関することでいえば、まず自分の体の弱いところを把握し、正しい知識を持って生活習慣を改めてほしいと思います。腹八分目で毎食バランスの良い食事を実現し、規則正しく生活しながらも、たまには「満腹」や「断食」などの刺激を与えて、イレギュラーな状態に耐えられるように胃腸を鍛えてください。
経営に関することなら、講演でも、日本を代表する大手総合電機メーカーには、例えば、排気ガスにまみれた北京の環境全体を、あらゆる角度から解決するソリューションを目指すべきであるとか、鉄道会社には、渋谷のスクランブル交差点を、歩行者、クルマ、自転車等の目的別に階層を分け、立体交差にするとか、国には首都高速道路を複数階に分けるべきなどと、お話しています。
固定観念に囚われず、例えばタニタが体重計ビジネスから体重ビジネスへ視点を変えたように、様々なものの見方を実践して、新しい指標を生み出し、変革を実現してください。
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