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NO.017 中村佳子氏- 収納・片付け ー

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片づけで育む子どもの未来~5つの力を身につける仕組みと工夫~

 

 

 

 

 

 

コラムTOP画像

 

 

 

 

コラム著者プロフィール画像はじめに

2020年度に文部科学省により新学習指導要領がスタートしてから、日本の教育は、『覚える力』から一歩進んだ、『自分で考え、選び、行動し、解決し、伝える』といった『生きる力』の重要性を重視するようになってきました。この生きる力はもちろん学校生活の中でも育むことができますが、私は幼稚園・小学校に入る前から毎日身近にある“片づけ”からも身に付けることができると考えています。

 

 

 

 

 

 

片づけで身に付く5つの力

片づけができるようになると「①選ぶ力・②判断する力・③続ける力・④思いやる力・⑤責任感」の5つの力が身に付きます。

 

まずは、「選ぶ力」。

 

私の伝えるライフオーガナイズの片づけでは「物を捨てる」ではなく「大切な物を選ぶ」からスタートします。「捨てるのはどれ?」と聞かれるよりも「大切なモノはどれ?」と聞かれる方が停滞しがちな分類作業がスムーズに進みだします。この片づけ方を小さな頃から繰り返すことで自分自身の価値観を知ることができます。

 

私は子育てにおいても、子どもたちが自分で物事を選択する年齢になったときに、例えば、習い事や高校の選択をする際に、『これは誰かが良くないと言うからやめておこう』という消去法ではなく、『これがしたいからこれにする』という自分軸を持って選べるようになることが理想だと考えています。この選択を叶えるためには、大切な物を選び取る片づけを続けることが効果的で、物だけでなく暮らしにおいても「大切なモノを選ぶ力」が育まれていきます。

 

 

コラム画像(おもちゃをしまう子ども)

 

 

そして、片づけには「これは誰が一番よく使うのか」「自分にとって使いやすいのはどちらの収納方法か」と判断する場面が多く、毎日出しては片づけるという動作は一生続けていくことですので、意識して続けていくだけで「判断する力」と「続ける力」が身に付いていきます。

 

また自分の為だけでなく、次に使う人が使いやすいように、見つけやすいようにきちんと元の場所へしまうなど、人やモノへ対して思いやりをもつ力も養っていくことができます。(思いやる力)

 

最後に、使ったモノを元に戻すことはひとつひとつは些細なことですが、自分のことは自分できちんとやるという意識は責任感を生み出します。

このように、片づけというと家事の1つ、できてもできなくてもそれほど影響はないと考えられがちですが、5つの生きる力を育むことができます。

 

 

「片づけなさい!」では伝わらない。

このように子どもの頃から片付けが自分でできるようになると、ただ空間を整える力が付くだけでなく「生きる力」が身に付くということはわかりますが、実際には『毎日「片づけなさい!」とつい子どもにガミガミと怒ってしまう…。』というお悩みをよく伺います。

 

コラム画像(きれいに片付けられた子ども部屋)私は小学生に向けた片づけ講座を開催することもありますが、その講座の最初には「どうしてお母さんやお父さんは片づけなさい!って言うと思う?」と子どもたちに尋ねます。すると、その質問に答えられる子どもはいません。

大人は色んな想いを抱いてついガミガミ言ってしまいますが、「毎日うるさいけれど、なんとなくおもちゃを集めておけば怒らなくなるからそうしている」というような子どもがほとんどです。何をどうすることが“片づけ”で、“片づけ”をするとどんな効果があるのか、それを知らない子どもが多いのです。

でも、それは子どもたちが悪いわけではなく、大人側の伝え方や収納の仕組みの作り方による結果でもあります。

 

「『片づけなさい!』では子どもに意図が伝わりにくいため、『この本をあの本棚にしまってね』『大切な物と使わない物を分けてね』といった具体的な動作を伝えることが大切です。まずすべきことは、「片づける」とは何をどうすることかを子ども自身が知ることです。

 

そして、子どもの視野が大人よりも狭いことや大人の手に軍手を2枚はめたくらい子どもの手は不器用だというような子どもの成長についての理解を深めることも大切です。大人と子どもの違いを知ることで、収納ボックスのフタは開けにくくないか、この場所は高すぎないか等に注意しながら子どもが自分で出し入れができる収納の仕組みを作ってあげることができるようになります。

 

子どもが自分でできる仕組みで1つ1つできるを積み重ねていくことで、片づけに対するネガティブイメージを払拭することができます。

 

 

 

 

 

夢を叶える片づけ

子どもが10歳以上になると、やろうと思えばできるけれども、めんどくさいと思春期の反抗的な気持ちもあって片づけをしなくなったりもします。大人は「片づけをすると探し物がすぐに見つかるよ。忘れ物もしないよ。」と声を掛けますが、当の本人はあまり困っていないので、なかなか片づけが自分事になりません。そんなときに子どもたちに伝えたいのは「片づけは夢を叶える」という話です。

 

例えば、サッカー選手になりたい子供がいたとします。そういった子どもには、「サッカー選手になるためにはどうしたらいい?」→『うまくなる!まずはチームで1番を目指す』→『その為にはいっぱい練習する・ルールを早く覚える』→『すぐに用意ができるようにサッカーグッズの棚を片づける。本もあちこちに出しっぱなしだからすぐ読めるように本棚にサッカーコーナーを作る』こんな風に投げかけてみてください。これがサッカー選手になるための片づけです。

 

モデルやアイドルになりたい子がいれば、それはコーディネートを楽しめるクローゼットに片づけることかもしれませんし、パティシエになりたい子ならば製菓材料のスペースづくりかもしれません。

そんな風に、片づけをすることで自分の夢に一歩近づくことができると知れば、モチベーションも上がって片づけに前向きに取り組めるでしょう。

それは大人であっても一緒で、ただ散らかった物を片づけるだけの片づけではなくて、「片づいたらこんな暮らしがしたい!」という自分の理想を叶えるための片づけをおすすめします。

 

 

たかが片づけ、されど片づけ。
この取り組み方が子どもの未来や親自身の暮らしを大きく変える力を持っているのです。

 

 

 

 

 

コラム画像(車とレールのおもちゃ)

 

 

 

 

 

 

 

 

「男の子がひとりでできる「片づけ」」書影

『男の子がひとりでできる片づけ
著者:中村佳子
(KADOKAWA・2018/9/27)

 

 

 

 

 

中村佳子(なかむらよしこ)
中村佳子(なかむらよしこ)
収納コンサルタント/ライフオーガナイザー/防災士

「簡単・楽・誰でもできる」をテーマに「ママと子どもにやさしい片づけ」を提唱。また、防災士として(兵庫県出身)、片づけと防災を組み合わせた視点で、その日からすぐに取り入れられる防災ポイントが多くの方に支持されている。プライベートでは、男の子2人の母。

 

 

 

 

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