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手嶋龍一
(てしまりゅういち)

外交ジャーナリスト/作家

慶應義塾大学経済学部を卒業後、1974年にNHKに入局し、政治部記者として官邸、外務省で外交・安全保障政策を担当。87年からワシントン特派員としてホワイトハウス・国務省・国防総省を担当。89年暮れにはマルタ島の米ソ首脳会談を取材し東西冷戦の終焉に立ち合う。翌90年には湾岸危機・戦争の取材で最前線へ。94年からハーバード大学CFIA・国際問題研究所に招聘されフェローに。その後、NHKドイツ支局長を経て、97年からワシントン支局長を8年間にわたって務める。この間、2001年の同時多発テロ事件に遭遇し11日間連続の昼夜中継を担う。05年にNHKから独立し、「日本初のインテリジェンス小説」と評された『ウルトラ・ダラー』を発表。姉妹篇の『スギハラ・サバイバル』と共に50万部を超すベストセラーに。『たそがれゆく日米同盟』、『外交敗戦』、『ブラックスワン降臨』、『汝の名はスパイ、裏切り者、あるいは詐欺師』など著書多数。2021年に神戸を舞台にしたインテリジェンス小説『鳴かずのカッコウ』(小学館)を、続いて22年7月には中国革命の地から発したパンデミックと米国の生物兵器基地との密やかな関係を描いた『武漢コンフィデンシャル』(小学館)を上梓。外交・安全保障・インテリジェンスを中心に新聞・雑誌のコラムニストとしても健筆を揮う。慶應義塾大学・大学院の教授としてインテリジェンス戦略論を担当、現在も一線のビジネスマン、官僚などの指導に取り組んでいる。

主な講演テーマ

「アジア半球の時代と日米同盟」
「リーダーのインテリジェンス感覚を磨くために」
「ゴルフに見るアメリカ大統領の素顔」
「インテリジェンスの本質とは」
「空洞化する日米同盟」
「東アジアの中の日本を考える」

ここがオススメ!

外交ジャーナリスト、作家の手嶋龍一氏。
1974年、日本放送協会(NHK)に入局。
1987年、ワシントン支局に赴任し、特派員の視点から1990年代初頭にノンフィクション『ニッポンFSXを撃て』・『一九九一年日本の敗北』を上梓します。

 

1994年、ハーバード大学・国際問題研究所(CFIA)にシニア・フェローとして招聘され、『文明の衝突』の著作で知られるサミュエル・ハンティントン氏をはじめ、様々な研究者の指導を受け、その国際的視野を磨き、拡げていきます。

 

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件では、11日間にわたる24時間連続の中継放送を担当し、その緊迫した状況を的確に伝え、雑誌への寄稿や大型ドキュメンタリー作品としてもその実態を描いています。
2005年6月にNHKを退局し、外交・安全保障問題を中心に、各メディアで活躍。
さらに、競馬にも造詣が深いことでも知られています。

 

手嶋氏の講演テーマは「アジア半球の時代と日米同盟」「リーダーのインテリジェンス感覚を磨くために」「ゴルフに見るアメリカ大統領の素顔」「インテリジェンスの本質とは」「空洞化する日米同盟」など。

 

国内政治・経済の諸事情をベースに、日米同盟、北朝鮮などの東アジア情勢の変化、TPP参加に関する日米関係などを幅広く解説。

主な経歴

外交ジャーナリスト・作家。
元NHKワシントン支局長。
9・11同時多発テロ事件に際しては11日間にわたる24時間連続放送を担い、その冷静で的確な分析は視聴者の圧倒的な支持を得た。
2012年10月『動乱のインテリジェンス』(新潮新書)を緊急出版。

現在の緊迫した東アジア情勢をめぐって、インテリジェンスの視点から佐藤優氏と論を戦わせた話題作となっている。
2011年12月刊行のノンフィクション『ブラック・スワン降臨~9.11-3.11インテリジェンス十年戦争~』(新潮社)では、2001年同時多発テロ事件から2011年福島第一原発事故までの十年間を検証し、日米両国のリーダーシップの有り様を描く。
東アジアの時代を日本はいかに生き抜くかを考える必読書と評された。

2005年にNHKから独立し、翌年発表した『ウルトラ・ダラー』(新潮社)は33万部のベストセラーに。
「日々のニュースが物語の出来事を追いかけている」と反響を呼び、冷戦後の日本に初めて登場した本格的な「インテリジェンス小説」となった。

2010年の春には、姉妹篇『スギハラ・ダラ―』(新潮社)を発表。
世界を震撼させたブラック・マンデーやリ―マン・ショックなど幾多の重大事態と、第二次大戦中に外交官杉原千畝が「命のビザ」で救ったスギハラ・サバイバルをつなぐ驚愕のインテリジェンス小説として版を重ねている。
2012年7月『スギハラ・サバイバル』と改題、全面的に書き改め、新潮文庫として新たに上梓された。

世界の29都市に生起する情報戦を綴ったルポルタージュ『インテリジェンスの賢者たち』(新潮文庫)、
環境問題を外交戦略の視点から論じた『武器なき“環境”戦争』(池上彰氏との対論、角川SSC新書)、
情報小国ニッポンの覚醒を促した『インテリジェンス 武器なき戦争』(佐藤優氏との対論、幻冬舎新書)、
バラク・オバマ米大統領をはじめ国際政局の最前線で活躍する29人の素顔に迫った『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』(講談社)などの著作も多くの読者を得ている。

手嶋龍一は、1990年代初めには既にノンフィクションの優れた書き手として評価を得ていた。
NHKワシントン特派員として冷戦の終焉に立ち会い、次期支援戦闘機の開発をめぐる日米の暗闘を綿密な取材と冷徹な分析描いた『たそがれ行く日米同盟~ニッポンFSXを撃て~』(新潮文庫)は、ノンフィクション界に論争を巻き起こした。

続いて、湾岸戦争時の日本外交の迷走ぶりを衝いた『外交敗戦~130億ドルは砂漠に消えた~』(新潮文庫)を発表。
これらの著作を通じて、早くから日米同盟の空洞化を予見し、警告を発してきた。
日本外交や安全保障を題材にしたこれらのノンフィクション作品は、若い世代にも読み継がれ、ロングセラーとなっている。

こうした業績が認められ、1994年、ハーバード大学の国際問題研究所にフェローとして招聘された。
黒衣の国際政治学者と呼ばれたカトリック神父、ブライアン・ヘア教授をはじめ、『文明論の概略』の著者サミュエル・ハンティントン教授、国防次官補を務めたジョセフ・ナイ教授、さらにはリベラル派の代表的論客スタンレー・ホフマン教授らの指導を受ける。

現在は、慶應義塾大学大学院教授としてインテリジェンス論を担当し、外交・安全保障を中心に後進の指導にも取り組んでいる。

主な著書

【インテリジェンス小説】
『スギハラ・サバイバル』(2012年7月、新潮文庫)
『スギハラ・ダラー』(2010年2月、新潮社)
『ウルトラ・ダラー』(2007年11月、新潮文庫)

 

【ノンフィクション作品】
★『動乱のインテリジェンス』(2012年11月、佐藤優氏との共著、新潮新書)

元NHKワシントン支局長で冷戦の終結や9.11の現場に立ち会ってきた手嶋龍一氏と、元外務省主任分析官で「外務省のラスプーチン」呼ばれた佐藤優氏という、二人の外交スペシャリストによる対談本(以下、概要)。

①日本の周縁で噴出するマグマ
野田政権が追い込まれる形で尖閣国有化を宣言したことに中国が反発し、海洋巡視船を多数派遣。
中国の日本企業も戦略見直しが迫られている。

 

危機を回避する外交の力が働かず、双方のナショナリズム感情を抑えられない状況。
逆に、尖閣は係争中の領土であるという中国のアピールに繋がっている。
韓国でも李明博大統領の竹島訪問で関係が悪化。
北朝鮮はミサイルを発射し、ロシアのメドヴェージェフ大統領は北方領土を強行訪問。

 

周辺国が同時多発的に日本の国境線を収縮させる力をかけてきている。その中で、日本のインテリジェンスにとって沖縄の確保が最重要。
普天間基地移設問題で、沖縄の亜民族意識は高揚し、独立論も出てきている。
沖縄が独立すると中国がそれに付け込む。
沖縄も尖閣をカードに中立を保つ形で、ガス田の沖中共同開発という事態もありうる。

 

②中国、そのモラルなきインテリジェンス
2012年5月「TPPに日本が参加しないなら、百万トンの米を中国富裕層に向けて輸出する仕組みをつくってもいい」などと日本の農政関係者に接触していた中国人工作員の存在が判明。
アメリカの環太平洋・東アジアの安全保障システムと裏表になっているTPP構想から日本を引き剥がす工作活動と見られる。

 

建国以来の理念として国外に植民地をもたなかった中国が、名目上はシンガポール資本で、パキスタン北部に位置してアラビア海を扼するグワダル港の整備を進め、海洋戦略の転換をはかっている。
中国は旧ソ連の兵器廠であったウクライナと地下水脈で繋がっており、中国の空母「ワリヤーグ」も洋上カジノ計画を偽装し、ウクライナを経由してロシアから盗まれたもの。

 

③イランの鏡に映る日本外交
2012年4月、鳩山元首相(当時の与党外交最高顧問)がイランを電撃訪問。
核開発疑惑により日本政府も含めた各国がイラン包囲網を形成する中での事態に、「二元外交」と批判が噴出。

 

NPTが不公平であるなど、イランの立場を代弁するような発言まで取り沙汰されるに至った。
ここには国際社会の包囲網の中から脆弱な箇所を見極めて一点突破するという、イランのインテリジェンス活動が見事に奏功している。

 

④イランの核、北朝鮮の核
アメリカにとって、北朝鮮の核の脅威を1とすれば、イランの核は30くらい。
それは同時に各々の前浜にある同盟国の重要性(日本とイスラエル)の差。加えて、イランの核開発の目的がイスラム原理主義の完遂にあるのに対し、北朝鮮の核は金政権の国体護持が狙い。
そして、北朝鮮から開発技術がイラン・シリアへ輸出されている。

 

⑤アジア半球の新たな勢力地図
震災時にアメリカが行った「トモダチ作戦」も国益に基づくインテリジェンス活動の一環で、日本在住アメリカ人の保護が最大の目的。
震災時の政府には、決断のよりどころとなる情報を精査し、分析し、適格な意思決定につなげる情報回路が機能していなかった。

 

かつて世界のインテリジェンス活動の重要な舞台であった東京は今や政治情報が弱まり、各国のインテリジェンス・オフィサーから置き去りにされている。

 

長期的に見れば日米同盟は解体課程にあるものの、海洋にせり出す中国に対抗する為に、TPPは単なる経済協定ではなく安全保障の観点から考えるべき。
日本のTPP参加で中国が戦略の見直しを迫られている一方、アメリカにとってオーストラリアの重要度が増している。

 

『ブラック・スワン降臨』(2011年12月、新潮社)
『武器なき“環境”戦争』(2010年9月、池上彰氏との共著、角川SSC新書)
『インテリジェンスの賢者たち』(2010年9月、新潮文庫)
『葡萄酒か、さもなくば銃弾を』(2008年4月、講談社)
『インテリジェンス 武器なき戦争』(2006年11月、佐藤優氏との共著、幻冬舎新書)
『ライオンと蜘蛛の巣』(2006年11月、幻冬舎)
『外交敗戦 ~130億ドルは砂漠に消えた~』(2006年6月、新潮文庫)
『たそがれゆく日米同盟 ~ニッポンFSXを撃て~』(2006年6月、新潮文庫)
『21世紀の戦争』(2001年12月、文芸春秋社)
『中ソ国境 ~国際政治の空白地帯~』(1986年5月、日本放送出版協会)

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